きょうのオヤツに買いに行きたい!

4時のオヤツ (新潮文庫)

4時のオヤツ (新潮文庫)


うーん、なんて美味しそう!!
小説の一篇一篇は本当に短いけれど、心に響く会話のあれこれ。
それををひとつひとつ読み進めると、もうたまんない。
あー、もうどこへでも出かけてこれを買ってこようという気分になる。
ここに登場するオヤツは全部で33種類。
私が食べたことがあるのは、その3分の1ほどだ。
著者の杉浦日向子さんは生粋の江戸っ子で、取り上げている品も
東京のものがほとんどだが
いくつか「お土産」も顔を出している。
たとえば「川端道喜のちまき」、これは京都でも別格の菓子である。
たしかに5本で3000円もする(今もそうなのかな)!
この「まことに品のよろしいお味」に黒蜜や黄粉は付けないのかと訊く
町工場のおとーさんが如何にも東京の人っぽくて微笑ましかった。
それでなくても、この本には「昭和の東京」があふれている。
会話がとことん、東京のノリなのだ。
昔の人(自分も仲間だが)は山手線をヤマテセン、って言ってたし
あそこ、って言ってるつもりが「あすこ」になっちゃうしー。
やたらと跳ねる音が多いとか、語尾の延ばし加減とか
そりゃもう如何にも。
東京の下町がホームタウンだった自分には、心地よいことこのうえない。
だから杉浦日向子さんは止められないのだ。
もったいないお人は早くに逝ってしまうものなのかな・・・。


それでは、今日はこれにて♪