やっぱり「あなたでなければ」ダメですか、みゆきさん。


先日発売された、4年ぶりとなる待望のオリジナルアルバムである。
思えば、わたしは人生の半分以上の期間、
中島みゆきを追いかけ続けている。
わくわくしながら新譜に針を落とす(ずいぶん前からCDだけど)のは
もう何回目になるだろうか。
そして今回、一曲目の「桜らららら」のイントロに耳を奪われた。
アコースティックギターの音が、たららららと響く。
ううっ、いいなぁこれ、昔の中島みゆきだ・・・と思ったら
なるほどこの曲は30年前につくられた未収録の作品であった。
このアルバムのコンセプトは「原点回帰」だそうである。
直球勝負で訴えかける曲あり、歌詞の深みをいっそう感じさせる曲あり、
ユーモラスな曲ありと、様々な「中島みゆき」が登場するが
しっかりとした統一感が素晴らしい。
さらっと聞き流せるアルバムではないけれど、
何度でも味わいたい秀作だと思う。
ただ、ただ・・・、だ。
あのですね、アレンジはやっぱり瀬尾一三さんでなくでは
ならないのかしら・・・。
今回のアルバムではみゆきさんご本人を始め、他のアレンジャーも
起用しているようだけれど、メインはあくまでも瀬尾さんだ。
正直、新鮮さに欠けるのは否めない。
「夜会」やテレビドラマの主題歌などなら良いインパクトになる
打ち込みの音が、アルバムでは耳障りに感じることも多い。
先に挙げた「桜らららら」でも、あんなに心地よかった弾き語りが
いつのまにか、いつもの瀬尾サウンドになってしまった。
あー、何だか辛口な感想になってしまうな・・・。
辛口ついでにもう一つ。
うまく言えないが、中島みゆきの歌詞独特の「毒」が
かなり薄まってきているような気がして残念だ。
でもまあ、これはララバイを歌うアルバムだから、ね。


それでは、今日はこれにて〜♪