この上なく心温まる「等身大のおとぎ話」

天国はまだ遠く (新潮文庫)

天国はまだ遠く (新潮文庫)


ずっと前から、瀬尾まいこさんの作品は読みたいと思っていた。
だけど、なかなか文庫にならなくて(←貧乏)、
図書館にも行けなくて(←面倒くさがり)未読のままになっていたのだ。
あちこちの書評でみる「読後感のよさ」を味わってみたかったところ、
実際に読んでみたら、うんうんそのとおり!と大きく納得してしまった。
日々の生活に疲れ果てた若い女性の「再生ストーリー」である。
どこかでみたような、とか、主人公の考え方がやや甘っちょろい、とか
現実味が薄い、世の中そんなにうまくいくわけがない、とか
この作品には否定的な見方もできるんだけど(嫌ですねぇ、オバサンは)
それらをひっくるめてみても、実にじんわりと感動する物語だ。
奇をてらわない、伸びやかな文章にほっこりといい気分になる。
そこで気がついた。
これは「おとぎ話」、しかも主人公はわたしたちと同類。普通の女の子。
ありえない話だけど、もしかしたら、もあるかもしれない。
本を読む幸せってこんなふうに感じることもあるんだな、と
嬉しくなる読書だった(短い作品なので、さらっと読める♪)。


では、きょうはこのへんで〜。