「ポテト」も「いちご」も、時代は80年代。

いちご時代(上) (ソノラマコミック文庫)

いちご時代(上) (ソノラマコミック文庫)

いちご時代(下) (ソノラマコミック文庫)

いちご時代(下) (ソノラマコミック文庫)


『いちご時代』は1984年半ばからほぼ一年間、
週間マーガレット誌上にて連載された作品である。
先月、わたしが懐かしさのあまりヨロコビの涙を流しながら読んだ
『ポテト時代』の続編だ。
今回の主役は4人姉妹の末っ子、ふう子ちゃん。
のんびり屋さんで心優しい女の子の、小学一年生の日々が
繊細な絵柄とリリカルなストーリーで綴られる。
『ポテト』のコミカルさはやや抑え目になり、あのがさつな「そよ子さん」も
ずいぶんと女らしく描かれている・・・かな?
少女の感性の豊かさも素敵だけれど、通り一遍の「きれいなだけの世界」に
とどまらないところが川崎苑子さんのすごさだ。
弱さやみにくさ、おろかさもきちんと登場人物にすまわせている。
だからこそ、いい大人になった今でもこの作品に
素直に感情移入ができるのだと思う。
また、下巻に同時収録されている「木苺さがし」「天使さがし」も
とても思い出深い連作短編だ。
ぶ〜け集英社の少女漫画誌。今はもう無いのかな)」の巻末総集編で
じっくり読んだような記憶もある。
10年の恋に破れた主人公の少女が「宇宙のゴミになってしまいたい」と
体を丸めて泣くシーンには、心底胸が痛くなった。
川崎苑子ワールド、もっと堪能したいぞぅ。
更なる復刊を期待してます(←復刊ドットコムへいけ〜!)。


では、今日はこのへんで♪