あっけらかんと、ふわふわと、不思議な一日。

あるようなないような (中公文庫)

あるようなないような (中公文庫)


少し前に読んだ『センセイの鞄』が面白かったので
川上弘美さんの、最初のエッセイ集を手にとってみた。
第一線の小説家である方なので、本来ならば小説のほうを
先に選ぶべきなのだろうけれど
僭越ながら、なんとなく「面白そうなひとだなぁ」と
思ってしまったのである。
で、やっぱり面白い方でした(失礼なヤツですみません、川上さん)。
力まず慌てず、毎日を肯定的にあるがままを生きていると
どこからか不思議がやってくる。
悲しいこともあるが、しみじみと可笑しいこともふってくる。
イグアナに似てると言われたり、「夜空のムコウ」を歌ったり
俳句をひねってみたり。
きっと大変なことも多いかと思われる作家さんでも
ささやかな出来事を笑い、幻想を楽しむ余裕を持とうとする。
いいなあ、こういうスタンス。
エッセイのあちこちに共感し、ほのぼのしてしまった。
読みやすく風情のある文章はやはり素敵であったし、
川上さんのエッセイをもう少し読みたくなった。
小説のほうも、とは思うのだけれど
わたし、幻想色のつよい小説はちょっと苦手だったりするので、ね。


それでは、今日はこのへんで〜♪