清原なつの初期作品集、第2弾♪

飛鳥昔語り (ハヤカワコミック文庫 (JA843))

飛鳥昔語り (ハヤカワコミック文庫 (JA843))


あ、またしてもamazonに画像がない・・・。残念。
さて、表題作の「飛鳥昔語り」、こちらも待ちに待った文庫化だ
(初出は<りぼん>1978年7月号)。
わたしが「りぼん」誌上で読んだのは小学生の頃。
そして、ずっと忘れることのなかった短編である。
社会(歴史)の教科書に飛鳥時代というコトバはあったけれど
有間皇子なんて御方はどこにも出てこなかった(ような気がする)。
清原なつのさんが描く、繊細かつ芯の強い皇子さまの姿は
とても美しくて、悲しすぎる。
後に皇子さまの悲劇をより詳しく知ることとなったが、
この漫画は、歴史的な興味をひかれるばかりではなく
昔々の日本的風景をしみじみと感じることができるのだ。
しかも!
さらにすごいことに、これはれっきとしたSF作品なのである。
最後の9ページに、あっと驚かされることといったら!
そこで、プロローグに記された架空の歴史書引用文が
重要な伏線になっていることに気づくわけなのだ。
このあたり、SFを描いても素晴らしい清原さんの
一端がしのばれる。
は〜、何度読み返しても味わいのある作品だこと・・・。
そして山岸凉子著『日出処の天子』を熟読するにいたり
わたしはどんどん飛鳥フリーク、寺だの仏像だののフリークと
化してゆくのだった。
他に飛鳥・奈良時代を題材にした漫画としては
里中満智子さんの『天上の虹』も面白いし、
清原さんの作品にも『光の回廊』という名作がある。
皆さま、古代への旅はいかがでしょう・・・?


それでは、今日はこのへんで♪