清原ファン、待ちに待った一冊!

花岡ちゃんの夏休み (ハヤカワコミック文庫 (JA840))

花岡ちゃんの夏休み (ハヤカワコミック文庫 (JA840))


この場合、「清原さん」とはプロ野球選手の、あの御方ではない。
清原なつの、ベテランの漫画家さんを指す。
『花岡ちゃんの夏休み』は彼女の初期作品集である。
わたしはうっかりしていて、今月この文庫本が刊行されたことを
つい一週間くらい前にようやく知ったのだけど
そのときは「うわっ!」と声をあげてしまった。
とにかく「早く文庫になってほしい!」と念願していたのだ。
そして、わたしに限らず多くのファンは
同じ気持ちであったに違いない。
清原さんといえば、やっぱりまずは「花岡ちゃんシリーズ」なのだ。
もう30年近く前に「りぼん」誌上で発表された
表題作「花岡ちゃんの夏休み」を、わたしはリアルタイムで読んだ。
あのときの驚きは忘れられない。
およそ少女漫画っぽくない風変わりさ、哲学性、小難しさ。
初っ端から「私はいったい何のために生まれてきたのだろうか」なんて
考えちゃっている大学生の女の子が登場するのである。
それでも、頭でっかちな才女の主人公は実に魅力的だった。
ちゃんと恋に悩み、不器用な性格がとても可愛らしい。
しかも相手役がとんでもないオトコなのだ。
それにしても、こんな理屈っぽい漫画を巻頭に掲載した当時の
「りぼん」は、今では信じられないほど懐の深い雑誌だったのである。
花岡ちゃんシリーズはこの一冊で全部読むことができるので
(余談だけど、わたしはどうもコンプリートって言い方が好きではない)、
興味のある方はぜひご一読のほどを。
清原ワールド、いちど嵌るとどっぷりの可能性大〜、かな?


それでは、今日はこれにてお開き♪