巷のランキング１位、そのうえ直木賞！

容疑者Xの献身

先日の日記で「自分は文庫派だ」なんて断言しておきながら
ムリして単行本を買ってしまった。わはは。
昨年の新刊のうち、これほど高い評価を受けている作品は見当たらない。
そういう本は、やはり気になってしまうものだ。
実は東野圭吾さんの本を読むのは初めて。
売れに売れている作家さんだけに、今まではちょっと引いてしまっていた。
要するにわたしはあまのじゃく。
えーと、そんなことはさておき『容疑者Xの献身』である。
一言で感想を記すなら「キレのいい、壷を抑えたミステリー」だった。
とにかく一気に読んでしまった。これは面白いからに他ならない。
文章が簡潔で、淡々としたリズムが心地よい。
物語の軸となる登場人物の描写が希薄と感じなくもないが、
ともすれば最後の数ページを引き立たせるための演出のような気もする。
そう、この物語のツボはラストだ。
読者の感動はそこに集約される。
東野さん、さすが理系のお方だなと感じたことには
恋愛とか情愛とかの描き方が濃密じゃないのだ。
全編にわたってさらっとしているんだけど、ここぞというときに
極めつけのシーンを用意してくれている。
この本を読み終わり、ふと、やはり理系の「清原なつの」さんの
漫画を思い出した。
清原さんの漫画をお読みになったことがある方なら、
ニュアンスが近いことをわかってくださる・・・かな？
しかしこの作品が直木賞って、わかるようなわからないような。
面白いことに間違いないけれども。
うん、面白いのが一番だ（笑）。

では、今日はこのへんで♪