チャン・イーモウ監督2連発!


昨晩から2夜連続で、NHK衛星第2テレビの「ミッドナイト映画劇場」を
堪能した。
ずっとみたかったけど見逃していた、チャン・イーモウ監督の
素朴路線の2作である。
(本当は一昨日の晩に「活きる」も放送していた。気がつかなくて残念)
いやはや充実の深夜を過ごさせていただきました。
ありがとうございます、NHKさま。


さて、その感想について・・・。
まずは「あの子を探して」、この作品は予想以上によかった!
どんどん物語に引き込まれた。
舞台は中国のある辺境の村。
一クラスだけの小学校の、臨時教員に指名された13歳の少女が、
出稼ぎのために町へ行かされた男の子を連れ戻すために
教え子たちとともに奮闘する。
すったもんだの末、何とか町へたどり着いたものの
目指す彼は行方不明。
そこで少女は一人、懸命に、捨て身で彼を探すのだ。
国が急成長で繁栄の道を進むのとは裏腹な、まだまだ貧しい村の暮らし。
そのなかで、13歳の少女先生の責任感と子供らしさは
ひたむきだけどちょっとユーモラスでもある。
そして、先生と仲間を助けるためけなげに頑張る小学生たち。
少女の危ない行動にはらはらしながら、時にくすくす笑いながら、
教育ってどういうことなのかな、なんて殊勝にも考えてしまった。
結末は日本昔話みたいな万事オーライだったけど、それはそれでよし!
学校の黒板に新品のチョークで、皆が好きな文字を一つずつ書いてゆく。
心にしみるラストシーンだった。


続いて「初恋のきた道」。
評判の高い映画で、しかもチャン・ツィイー初主演作。
(ちなみに相方は「おっ、アジアン・ビューティーが出てる」と
何気に目を奪われていた。)
とても期待して映画を観始めて、終わったらちょっと涙目になっていた
わたしであった〜。
物語は現在から始まる。
父の死の知らせを受けた青年が、都会から故郷の村へ帰ってくる。
青年の父は村人に長く敬われた教師であり、母はずっと父と共にあった。
一人残された母の言動を心配しながら、彼は40年前の、両親の恋物語
語り始めるのだ。
そこに現れるのは、なんといっても筆舌に尽くしがたい
美しい風景画のような映像!
テレビドラマ「北の国から」の、秋・冬の風景を思い起こさせる。
そして若き日の母を演じるチャン・ツィイーのまなざしのまっすぐさ、
可愛らしさが目に焼きついて離れない。
また、忘れてならないのは過去の物語ばかりではなく、
母と息子、そして亡くなった父をめぐる現在の人間関係を
温かく、かつ厳粛に描いている点であると思う。
父の葬列に無給で集まった多くの教え子たち、
父の立った教壇で一度だけ村の子どもたちに授業を行う息子の姿。
チャン・イーモウ監督は、この映画においても
「教育の大切さ」を大きなテーマに掲げている。
“この道は いつか来た道”の歌にも似た感慨を受けた映画だった。


それでは、今日はこれにて〜♪
長く書いてたら夜明け近くになってしまった・・・。