線路は続くよ、どこまでも

鉄路に咲く物語 (光文社文庫)

鉄路に咲く物語 (光文社文庫)


大きな声では言えないが(笑)、実はワタクシ、かなりの鉄道好き。
とはいえ、鉄道写真を撮るとか車体マニアとかではなく、
ただひたすら鉄道に乗るのが好きなのだ〜。
(だから今、『鉄道の旅』を遂行中の関口クンがうらやましくて
しかたがない・・・、詳細はNHKにて〜)
さて、そんなわたしがふと手にした、この一冊。
著者の顔ぶれを一見しただけでも興味をひかれたが
いやはや予想以上に面白かった!
収録作品すべてが短編小説である。
古典的名作あり、恋愛ものあり、ミステリーあり、人情ものありで
読んでいて、ちっとも飽きない。
むしろ、作品のひとつひとつを心地よい緊張感を持って読み進む。
長編小説だとつい先が気になって、必要以上に速読してしまうのだけど
このアンソロジーは丹念に、ゆっくり味わう楽しさがあった。
どの作品もそれぞれに読み応えがあったけれど
特に気に入ったのは、芥川龍之介大先生の「蜜柑」。
恐れ入りました、さすがです!
たった6ページの中に、この感覚の鋭さ。
また、浅田次郎さんの「青い火花」、北村薫さんの「夏の日々」には
ちょっと泣けてしまった。
それから山本文緒さんの「ブラック・ティー」が印象的。
毒のきかせ方がにくいなぁ〜。
次は、これらの作品が収められた各々の本を読んでみたい。
そんなわけで、自分の、これからの本選びの道しるべみたいな役割とも
なってくれた一冊だった。


それでは、今日はこのへんで♪