線路は続くよ、どこまでも
- 作者: 日本ペンクラブ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/06/14
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
大きな声では言えないが(笑)、実はワタクシ、かなりの鉄道好き。
とはいえ、鉄道写真を撮るとか車体マニアとかではなく、
ただひたすら鉄道に乗るのが好きなのだ〜。
(だから今、『鉄道の旅』を遂行中の関口クンがうらやましくて
しかたがない・・・、詳細はNHKにて〜)
さて、そんなわたしがふと手にした、この一冊。
著者の顔ぶれを一見しただけでも興味をひかれたが
いやはや予想以上に面白かった!
収録作品すべてが短編小説である。
古典的名作あり、恋愛ものあり、ミステリーあり、人情ものありで
読んでいて、ちっとも飽きない。
むしろ、作品のひとつひとつを心地よい緊張感を持って読み進む。
長編小説だとつい先が気になって、必要以上に速読してしまうのだけど
このアンソロジーは丹念に、ゆっくり味わう楽しさがあった。
どの作品もそれぞれに読み応えがあったけれど
特に気に入ったのは、芥川龍之介大先生の「蜜柑」。
恐れ入りました、さすがです!
たった6ページの中に、この感覚の鋭さ。
また、浅田次郎さんの「青い火花」、北村薫さんの「夏の日々」には
ちょっと泣けてしまった。
それから山本文緒さんの「ブラック・ティー」が印象的。
毒のきかせ方がにくいなぁ〜。
次は、これらの作品が収められた各々の本を読んでみたい。
そんなわけで、自分の、これからの本選びの道しるべみたいな役割とも
なってくれた一冊だった。
それでは、今日はこのへんで♪