九月の歌(その三)

生きていてもいいですか

生きていてもいいですか


'80年代初めに発表された、中島みゆきさん初期の代表的アルバム。
彼女の歌を語るうえで絶対はずせない作品だと思う。
とにかく重い。恋愛についても人生についても、とことん重い。
前向きな応援歌など何の価値もない、とまで感じさせるような
きつくて深い、深い歌が並ぶ。
だけど、人間どん底まで落ち込んでしまったとき
癒しなどという言葉ではおさまらないとき
このアルバムは何よりも大きな力を与えてくれる。
さて、ここに収められている「船を出すのなら九月」という曲。
人々が夏を見捨てた九月の夜の海、その暗さの中へ漕ぎ出す船は
どこまでも畏れを抱いている。
けれども半ば諦めるかのように、つらい一歩を踏み出さなくてはならない。
そういうときがあるものなんだね、生きてると。
10代の頃にはおぼろげだったことが、今では切に感じられる。
初めて聴いたときからもう四半世紀も経ったけれど
九月になるとつい口ずさむ懐かしい歌だったりする。
誰にでも紹介できるわけじゃないけどね。やっぱり重いし(苦笑)。


では、今夜はみゆき節を聴きつつ閉店〜♪