時代は違っても、夏。

蝉しぐれ (文春文庫)

蝉しぐれ (文春文庫)


・・・すでに目頭が熱くなりかけているマヌケがここに。
でもね、いいんだ、これが。この小説が!
心から皆々様に読んでいただきたいと思う。
近年TVドラマ化されたし、今秋映画も封切られるそうなので
映像のほうをお楽しみになるのももちろんOK!
NHKドラマの内野聖陽くん、かっこよかったな〜)
恋愛もの、友情もの、時代小説ならではの剣術もの、復讐もの。
どんな読み方もできるけど、そんな括りでは語りつくせない。
それだけ読み応えがある、ということだ。
物語に一貫して流れているのは清明さ、のような気がする。
主人公の「文四郎」は実に清々しく、友人達は各々が大変魅力的で
ヒロインの「ふく」は健気で愛らしい。
現在の社会では考えられないような苦難が待ち構えようとも
彼らはしっかりとした自分を保ち続ける。
いやはや昔の青年は偉かったんだな、大人だったんだなと
感心するばかりだ。
また、風景描写も見事で、目の前に海坂の土地が広がるよう。
時にドラマティックに、時にしんみりと、淡々と。
時代小説にありがちな読みにくさも感じられないかと思う。
藤沢周平マジックのとりこになること間違い無しの一冊!
・・・何だか本屋の回し者のようになってしまったぞ。
でもでも、ホントにすごくいいんだもの♪
今回の映画でどんなふうに映像化されるのか楽しみだ〜。


ではでは、これにて閉店〜♪