海が見ていた物語

わたしが読んだのは文庫版の全2巻。
1991年から翌年にかけ、別冊マーガレットに連載された。
このたび初めて全部通して読んでみて・・・、参った・・・。
弱いっ。
こういう健気な少女の成長や、親子の葛藤を描いた物語に
もうめちゃくちゃ弱いのよ。わたしは〜!
そして語り部となる少年もまた、逆境を乗り越えてゆく。
彼らが紡ぐ十数年の物語は哀しく、けれども美しくていとしい。
何より少女と少年の恋の清々しさ。
年甲斐もなく胸が熱くなってしまって、一気に読んでしまった〜。
泣けるけど、そのぶん読後感はさわやかで幸福感に満ちている。
最後のページなんか、まさに映画のエンディングのよう。
そう、海はいつも彼らを見ていたんだ・・・。
うまいなぁ。聖千秋さんというお方は。
言葉の重みを熟知していて、さらに空間において情感を表現することの
とても巧みな作家さんだと思う。
それでいて随所に気風のよさを感じさせる。
もーっ、江戸っ子だね!
そんなわけで「イキにやろうぜイキによ」も好き♪
次はどの作品を読んでみようかな、読み直してみようかな。
楽しみがふえたわっ。



ではでは本日はこれにて閉店〜♪